世に処するには、どんな難事に出逢っても臆病ではいけない。「さあ、なにほどでも来い。 おれの身体がねじれるならばねじってみろ」という料簡で事をさばいてゆくときは、難時が到来すればするほどおもしろ味がついてきて、物事は造作もなく落着してしまうものだ。

人物:勝海舟(かつかいしゅう)

1823-1899年。幕末・明治の政治家。名は義邦、のち安芳(やすよし)と改名。通称、麟太郎。1860年、幕府使節とともに咸臨丸(かんりんまる)を指揮して渡米。1863年に神戸海軍操練所設立の許可を得て、諸藩士や坂本竜馬ら脱藩浪士を育成。1864年、軍艦奉行。1868年に幕府側代表として西郷隆盛と会見し、江戸無血開城を実現した。