人生は落丁の多い書物に似ている。一部を成すとは称し難い。しかし兎に角(とにかく)一部を成している。

人物:芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)

1892-1927年。東京市京橋区(現在の東京都中央区)出身。東京帝大在学中に久米正雄、菊池寛らと第三次・第四次『新思潮』を創刊。1916年に発表した短編『鼻』が夏目漱石に激賞され、文壇に登場。新技巧派の代表的作家となる。1927年、薬物自殺。代表作に『羅生門』『地獄変』『河童』『侏儒の言葉』『歯車』『或阿呆の一生』などがある。