現在は過去と未来との間に、画した一線である。この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである。

人物:森鴎外(もりおうがい)

1862-1922年。石見国津和野(現在の島根県津和野町)出身。本名は森林太郎(りんたろう)。東大医学部卒後、1884年に陸軍軍医としてドイツへ留学。4年後に帰国し、小説『舞姫』を発表して文壇に登場。翻訳・評論・創作・文芸誌刊行などの多彩な文学活動を展開した。代表作に『青年』『雁』『ヰタ‐セクスアリス』『阿部一族』『高瀬舟』などがある。