怒にはどこか貴族主義的なところがある。善い意味においても、悪い意味においても。孤独の何であるかを知っている者のみが真に怒ることを知っている。

人物:三木清(みききよし)

1897-1945年。兵庫県生まれ。西田幾多郎の『善の研究』に感動し、京都大学哲学科へ入る。卒業後は欧州に留学し、リッケルトやハイデッガーらに師事。帰国後、『パスカルに於ける人間の研究』を出版。1927年には法政大学教授となり、『人間学のマルクス的形態』をはじめマルクス主義の諸論文を発表。治安維持法違反で検挙され、終戦直後に獄死。