困難な情勢になってはじめて誰が敵か、誰が味方顔をしていたか、そして誰が本当の味方だったかわかるものだ。

人物:小林多喜二(こばやしたきじ)

1903-1933年。秋田県生まれ。早くから志賀直哉に傾倒し、リアリズムを学ぶ。その後、プロレタリア文学に目覚め、国家権力に抵抗する労働者や農民の姿を描いた。1933年、官憲に逮捕され、拷問により虐殺された。最後まで思想を捨てなかったプロレタリア文学運動の象徴的存在である。代表作に『蟹工船』『党生活者』『不在地主』などがある。