身をすてつるなれば 世の中の事 何かはおそろしからん。

人物:樋口一葉(ひぐちいちよう)

1872-1896年。東京の生まれ。本名は樋口奈津(なつ)。1886年、中島歌子の歌塾「萩の舎」に入門。1889年に父が死去すると、小説で一家の生計を支えてゆくため、半井桃水に師事。生活に苦しみながら、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』といった秀作を次々と発表。文壇から絶賛されるが、肺結核により、24歳6ヶ月で没した。