五十、七十、百まで生きても。アッという間の一生涯だよ。何が何やらわからぬまんまに。会うて別れて生まれて死に行く。

人物:夢野久作(ゆめのきゅうさく)

1889-1936年。福岡県生まれ。幼名は杉山直樹(なおき)、出家名は泰道(やすみち)。1922年、童話『白髪小僧』を発表。1926年、『あやかしの鼓』が『新青年』の懸賞当選作に。1935年には長編『ドグラ・マグラ』を発表し、怪奇色と幻想性の色濃い作風で人々に衝撃を与えた。代表作に『死後の恋』『瓶詰地獄』『押絵の奇蹟』『氷の涯』などがある。